- TOP
- スタッフブログ
スタッフブログ
ワーホリってなに?なんのために、だれが、何をしに行くこと?2018.3.4
Photo by Yasser Alghofily ― Melbourne
留学を検討してみて「ワーホリ」という言葉をはじめて耳にしたという人もいるかと思います。今回は「ワーホリ」の概要と基礎知識を取り上げます!
ワーホリとはなにか?
ワーホリとは「ワーキングホリデー」の略です。
【日本とワーキングホリデー協定を結んだ外国】での1~2年の滞在許可を得て、その間に就学、旅行、就労と生活することが許されるという制度です。
30歳以下(※1)で日本国籍のある人であれば、ワーキングホリデー制度に応募することができます。
※1 行き先の協定国によって異なる場合あり
(日本ワーキング・ホリデー協会よりhttps://www.jawhm.or.jp/step1.html )
ざっくり言うと、「働きながら海外で休日を過ごし人生経験としたり将来に役立てる機会を、各国の青年に与える制度」ということですね。
自由度の高い留学=ワーホリと言える
Photo by Karen Mardahl ― 19grams – Bloody Good Coffee
働きながら言語を学ぶのはもちろん、コーヒーショップでのバリスタやレストランのセクションチーフ、ダンスインストラクター、ITエンジニアなど海外の職場でスキルと経験を積んでいる人も多いです。
インターンシップやボランティア、ファームステイをするなど様々な就労形態があるので、自分の希望に合わせて様々なことを経験できる、幅のある海外体験の方法がワーホリと言えます。
ワーホリを体験した後は、その経験をもとに海外に移住したり海外企業で就職したりするなどもできますし、本格的に現地の言葉を勉強したならば、語学力によってのキャリアアップにつなげることも可能です。十人十色のライフプランがありますね。
期間は6ヶ月や12ヶ月などが多いです。2018年2月現在ワーホリ協定国は19ヶ国です。
学校に通わなくても就労が可能なワーキングホリデービザでの滞在になるので、長期間海外に行きたいけれど、語学学校は学費がかる…という人にもおすすめできる留学スタイルです。
また、ワーキングホリデー中に現地の語学学校に通うことも可能です。ワーキングホリデー滞在中に語学学校に通える期間はオーストラリアは4ヵ月、ニュージーランドやカナダは6ヵ月……と国によって異なります。
ここまでお話ししてきた特徴からも、ワーホリはかなり自由度が高いと言えますね。
ワーホリ申し込みに必要な条件は?
外務省のワーキングホリデーに関するウェブページでは、以下のように記載されています。
ワーキングホリデービザ発行対象者
(ア)相手国・地域に居住する相手国・地域の国民・住民であること。
(イ)一定期間相手国・地域において主として休暇を過ごす意図を有すること。
(ウ)査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(オーストラリア,カナダ及び韓国との間では18歳以上25歳以下ですが,各々の政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能です)。
(エ)子又は被扶養者を同伴しないこと。
(オ)有効な旅券と帰りの切符(または切符を購入するための資金)を所持すること。
(カ)滞在の当初の期間に生計を維持するために必要な資金を所持すること。
(キ)健康であること。
(ク)以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと。
※国・地域によって要件や審査手続きに多少の違いがあります。
特に気をつけたい要件は、【30歳以下】で【ある一定の資金の準備】と言う部分かもしれませんね。
この二つは、ワーホリに行く直前の段階からでは、対応がしにくいからです。
30歳前後というと「これからの人生どのようにしたらいいだろう?」ということを考える時期でもありますね。「海外での生活もこの身で体験したい」という欲求も明らかになりやすい瞬間です。
しかし、【30歳以下】というワーホリの制限はその決断を待ってくれません。たとえば、ワーホリについて知ったのが31歳になってからだと行きたくても行けないということもあり得ます。なので、もしもあなたがワーホリという形での海外滞在に興味を持てそうであれば、今はその気がなくても情報収集しておくことをおすすめしたいですね。
資金の準備については「現地でお金が入るから大丈夫」という考えはダメだということですね。これには理由がありまして、海外の現地では「外国人である日本人が簡単に職を得られるわけではない」という現実的な事情があります。
ワーホリ中は求職活動もしなければいけませんが、その間は働くことができません。つまり、収入のない期間がほぼ必ずあるわけです。「その間でも、問題なく過ごせるようにしておいてくださいね……」という意味合いを含めて【ある一定の資金の準備】が必要というわけですね。
ワーホリで準備するもの一覧
Photo by osseous ― June 8-14, 2011
・パスポート
海外に行くことになるためパスポートが必ず必要です。パスポートは各都道府県で申請することができます。
パスポート申請先都道府県ホームページはこちらhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_6.html
・ワーキングホリデービザの取得
ワーキングホリデー制度を利用して海外に行くには「ワーキングホリデービザ」を取得することが必要です。
ワーキングホリデービザは、行き先国の大使館に問い合わせ取得します。たとえば渡航先がカナダの場合、カナダ大使館にビザの取得を申し込みます。
ビザ取得までの時間は大使館の忙しさ・込み具合に大きく左右されるため、たとえば留学やワーホリ先として人気のカナダやオーストラリアの場合は6ヶ月以上前の申し込みが望ましいです。その他の国に関しても、少なくとも4ヵ月くらいの余裕を持って申し込み手続きすることが大切です。時間がかかるので、ビザの取得に関しては特に前もって動いておく必要がありますね。
現在30歳と言う方は、このビザの申請も次の31歳になる誕生日が来る前にやっておきましょう。
ビザの申請途中に返事が来ない、健康診断が必要ですと言われた、不備のため返送された……などによって時間がロスしないように、 提出する物はビザの審査官が見やすいように準備しましょう。
オーストラリアとニュージーランドなど、オンラインでの申請が可能な場合もあります。まずは各国の日本大使館のウェブサイトに行ってみてください。
・エアチケット(航空券)
早めに予約して航空券を取っておくと料金が安くなります。逆に、直前に準備すると高い路線しか残っておらず運賃が高額になることがあります。
手間と時間がかかる反面、少し別の国を経由をするだけでぐっと合計の運賃が安くなるという場合もあります。トラベルコなどの航空券を横断検索できるサイト・アプリを使って研究してみましょう。
現地への到着日を何曜日にするかと言う点では、ホームステイする人はホストファミリーが迎えやすい日であるということ、語学学校などの始まりが月曜日からということから、現地で土曜日に到着する便を選ぶことが多いです。もちろんケースバイケースで異なりますから自分の場合に照らし合わせて都合のよい到着曜日を選んでくださいね~
・ワーキングホリデー保険や海外留学生保険に加入する
海外保険(ワーホリ保険・留学保険)に契約すると、ケガや病気の時、パソコンの盗難やスマホの損害請求に遭った時などに補償を受けることができます。海外での万が一の時の出費に対応するために、ほぼ必須と言えるでしょう。多くのワーホリ・留学向け保険はオンラインで申し込みことができます。
・語学学校、住居、ホームステイ、空港からの送迎の手配など各種手続き
これらは、それぞれを利用する場合に必要です。エージェントを介して渡航する場合は送迎手配など代行してもらえる場合がありますが、そうでない場合は自分で綿密に無理なく計画を立てておかないと着いた空港で立ち往生ということも……。
・クレジットカードやキャッシュパスポートなどの現金以外の決済手段
利便性だけでなく、防犯や盗難に遭った際の補償などセキュリティ面でも必要です。
・公的手続き(海外転出届けや国民年金/国民健康保険などの手続き。郵便や光熱費、電話料金の休止の手続きなど)
今住んでいる自治体から海外に住居を移す場合は「海外転出届け」を役所で出します。海外転出届を出さずに住民票をそのままにしておくと、国民年金、国民健康保険料を支払う義務が継続しそのまま海外にいる間も払い続ける必要が出てきてしまいます。
このあたりの公的手続き関連は留学する期間によってもどうすべきか変わってきますので、役所に行って「~月から~月まで海外に留学する予定なんですが、税金関連の手続きはどうしたらいいでしょうか?」と事前に聞いておくとよいです。
住んでいる賃貸を解約して留学するといった場合には郵便局で転送手続きを申請して、留学中に自分に届く郵便物も受け取れるようにしておきましょう(実家に届くようにしておくなど)。
携帯電話はドコモやソフトバンク、auといった携帯電話会社に利用の休止を申し入れることで、維持費を少なくすることが可能です(オプション料金などでゼロにはならない)。休止中はその電話会社の電話番号とSMS、携帯メールアドレスが使えなくなってしまいます。このため、海外に行っても携帯電話の契約はそのままにする人もいます。
日本で買ったスマホを海外でも使う場合に重要なのが、休止を申請する前に【SIMロックを解除】してもらうことです。SIMロックを解除しておかないと、海外でそのスマホが使えない可能性が高くなってしまいますので……
・歯の治療
海外での歯科治療は思った以上に費用がかかることがあります。値段が安くサービスの水準の高い日本の歯医者さんで歯の気になる部分は直しておいた方がいいですね。
ワーホリに行って得られるものは?
Photo by Greg ― Tools of the Trade
ワーホリに行って得られるもの/メリットは様々あります。
これは実際のワーホリに行った個々人の経験によって千差万別ですが、ざっくりと挙げるならば……
- 現地で実際に働く経験ができる
- 実践で使える生きた英語を習得できる
- 現地で働いた経験をその後の仕事に活かせる
- 海外で働きながら自分の生活を築く経験ができる
- 度胸がつく
- 積極性が身につく
- 異文化適応力がつく
- コミュニケーション力がつく
- 忍耐力がつく
- 幅広い視野・別の視点で考える力がつく
以上のとおりです。
日本経団連の実施したアンケートによると、企業が新卒採用に際に重視する力として「コミュニケーション力」や「主体性」を長年トップにあげているので、ワーホリに行った経験は就職活動をする時に有利に働く要素にできる見込みがあると言えます。
新卒採用と言っても22~25歳くらいであれば第二新卒と言って、現在では新卒に近い扱いをする企業も増えています。
一般論としては、30歳に近付くにつれ、「コミュニケーション力」「主体性」などのポテンシャルよりは、実務での実力が求められる傾向はあります。でも、その企業がその時期に欲しい人材がどんな人なのかなどその時の事情にも左右されるので一概には言えません。これから技術の進歩や社会の変化で働き方も大きく変わる可能性もあります。ただ、事前知識としては知っておくといいと思います。
仕事も大事ですが、人生は人とのコミュニケーションの連続でもありますしワーホリでかけがえのない友人と出会えたという人もいます。そういった広い視点で考えるとコミュニケーション力と主体性を磨くことができるワーホリという場は価値があると言えると思います。いわば自己投資にはもってこいの機会だということですね。
反対にワーホリに行って失うものは?
Photo by hannaneh710 ― Loss
ワーホリに行って失うもの/デメリットはどんなことがあるでしょうか。これも人それぞれではありますが、あえて挙げるならば……
- 働いていた人はその仕事をいったん止めることになり、場合によってはそれがキャリアにマイナスに働くこともある(業種や働く国や会社自体の文化によって異なるので一概には言えない)
- 自由な反面、しっかり計画を立て真面目に課題や仕事をこなさないと無駄な期間になる
- ワーホリは語学留学と異なり学校から課せられる勉強やテストなど強制力がないので、英語をまったく勉強せずにワーホリ期間を過ごすこともできる(ワーホリに行ったイコール語学が堪能とはならない現実がままある)
ということがあります。
ただ、これは「そういう場合が過去にあった」ということであって、「ワーホリに行くと必ずそうなる」ということではないため、そこはご安心を。むしろやりたいことが明確にある人はまったく気にしなくていいと思いますよ。
でもあまりに楽観主義になりすぎてもバランスを崩してしまいますし、過去の失敗談は反面教師にするということもできるので、ワーホリの良い面と悪い面を知っておくこともある一定大事ですね。
留学とワーホリのどちらに行った方がいいのか?
これも個人個人で異なりますが、大まかな傾向はこのような感じになっています。
留学との違い
- 短期語学留学より長く海外に1年間までの長期滞在ができる
- 観光ビザや学生ビザと違い「就労」することが許されている
- 働きながら様々なことが学べるため、実践ですぐに役立つスキルを身に着けたり、現地の生活文化の一端を肌で経験することができる
- ワーキングホリデービザでの渡航は1つの国に1回まで
留学はその期間も、どの国に何回行くかも自由に決められますし、年齢制限もありません。但し就労が許されていません。
ワーホリは1つの国に1回だけできると決まっており、期間も最長で1年間、年齢は30歳以下と決まっています。
ワーホリのメリットは就労が許されていること、期間中に語学学校に入学したり転職したりと自由度が高く、選択肢の幅がある点です。
個人個人の目的によってもどちらがいいかは異なってきますから一概にどちらが良いとは言えませんが、人生のうちの一定期間のみに許された国同士の取り決めによって実現している貴重な機会ではあるので、対象となる人は休みの日でカフェでのんびりしているときにでもワーホリの可能性を一度検討してもいいのではないかな……と思います。
おわりに
ワーホリは日本と他国の取り決めによって存続する、18~30歳までの人にとって海外での経験を積むにはまたとない機会です。
ワーホリを申し込むにあたっては、資金の準備や申し込み期間に余裕を持つことが大切です。自由度が高い分誘惑も多いですが、計画をしっかり立てて現地で実践することができれば得られる知識や経験も大きいのがワーホリだと言えます。
自分次第で様々なことにチャレンジでき、現地の文化や人々と関われたり、英語力に応じてキャリアアップにつなげることができたりできるこのワーホリ制度を利用して、ぜひ新しいチャンスをつかんでください。